China Groove⑤ ~鳥の巣~
2009年 07月 15日
北京2日目。
午前中の仕事を終えた僕は、夕方の仕事までの時間を使って、あの“鳥の巣”へ。
ここが開放されていることは、北京に向かう飛行機のなかでガイドブックを読んで知った。
オリンピックに合わせて開通した地下鉄の駅を降りてすぐに、"巣”は見えた。
遠くから見ても圧倒的な存在感。そして、近づけば近づくほど、その存在感はさらに高まっていく。
入場料は500円くらい。まだ、オリンピック閉幕後、半年ということで、続々と詰め掛ける観光客たち。
見る限りでは、ほとんどが中国人で海外からの観光客は少ない。
中に入るまで、僕は、スタンドの一部だけを開放しているだけだろうと思っていたけど、入って驚いた。スタンドは、どこまででも自由に行けるし、グランドへも降りることができる。
国旗掲揚塔の下に立ってスタンドを見渡す。
ここであがった国旗を見て、どれだけのアスリートたちが感動の涙を流したことだろう。
グランドに寝そべり、空を見上げた。
青空がスタジアムに溶け込み、一体となってるかのようにさえ見える。
電光ビジョンでは、オリンピックの感動、そして世界中の人たちが交流している姿が延々と流れていた。
400mリレーの朝原も、あの電光ビジョンで銅メダルの確定を知ったんだろうか。
スタジアムは、あまりにもでかいんだけど、観客席は、それぞれの人の顔が見えるような近さを感じる。
それは、なぜか分からないけど、東京の国立競技場とは違うこのスタジアム独特の雰囲気を感じる。
その瞬間、瞬間、自分が主役となり、数万人の目が主役に向けられる。
あのとき、朝原が、バトンを空高く放り投げた気持ちがなんとなく分かった。
ここでは、主役には全ての権利が与えられ、主役はその権利を何のてらいもなく行使する。
そこに感動が生まれ、観客は拍手を送る。
“鳥の巣”は、何か不思議で圧倒的な魔力を持っていた。
(2009.2.27 北京にて)
by huehuki-pi-hyoro | 2009-07-15 21:08 | 旅日記