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映画「さや侍」 ~娘を持つお父さんへ~

多くの人がそうだと思うけど、笑わせてくれる映画だと思ってた。
ところが、最後は、完全にやられた。
娘を授かり、父となった松ちゃんに完全にやられた。
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僕の娘は13歳。
去年も今年も、「まわりの人の仕事」というタイトルの宿題で、僕の仕事のことを話した。
ただ、去年と同じことを言ったかどうかわからない。
モノを作ってるわけでもなく、モノを売ってるわけでもない。
誰もが知るような職業についているわけでもない。
だから、説明はむずかしい。

先日もテレビのニュースにちょっとしたコメントで出たけど、その姿は本職の仕事ではない。
ただ、お父さんは、ときどきテレビに出たり、雑誌に写真入りで原稿書いてたり、何かそういう人なんだろうなというぼんやりとしたものでしかないと思う。
テレビを見ても、話している内容なんかには興味がなく、「この前と同じとこで撮ってるね。」と笑ってるだけだ。

娘は僕をどう見てるんだろうか。
早朝に家を出て、遅くまで働いて帰ってくる僕をどう思ってるんだろうか。
忙しいときには、まったく休まずずっと仕事している僕の姿はどう映ってるんだろう。

多くのお父さんたちはそうだと思うけど、子どもが生まれたときに芽生えたのは、子どもに対する責任感だった。
特に、最初の子が出来たときにそう思った。
女房が病院に行った日、公衆電話から家に電話をかけた。
「できた。」と聞き、感激するとともに、帰りの地下鉄の中で、これまでとは違うという重い責任を感じた。
その時のことは、はっきり覚えている。
南砂町から西葛西にかけて、地下鉄が地上に上がり、川を渡る辺りでそう思っていた。
外に見える夜景を遠くに見ながら、これからのことを考えていた。

今、僕が働いている理由の多くは家族のためである。
ひとり暮らしだったら、ここまで働かないと思う。
仕事はいいこともあれば、悪いこともある。
楽しいこともあれば、難敵が現れることもある。
けど、そこでいつも父さんは戦っている。
「さや侍」のように、家族のために。

この映画は、そんな映画だ。
まだ小さな娘さんを持つお父さん。
おすすめです。
泣いてください。
                            (2011.6.11 豊橋・ユナイテッドシネマにて)

追伸
映画を見て笑わなかったわけではない。
何か所かで笑った。けど、普段のテレビの方が間違いなく笑っている。
ただ、一番笑ったのは、エンドロールのほっしゃんの役割。
泣いた後に、あれはいかん。
ああいう隠し味笑いは松ちゃんが好きそうな演出だろう。
観客が感動しているここで笑ってはいけないと思い、笑いをこらえていたけど、こらえきれず、「ぐぐぅ」みたいな変な声が出てしまった。
多分、あの人、声だすほど凄く泣いてると思われてたと思う。
笑いがこらえきれなかったんです。

by huehuki-pi-hyoro | 2011-06-15 06:54 | 映画  

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