人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カツオ

高校1年のとき、僕は「カツオ」と同じクラスになった。
人懐っこい笑顔に、ちょっとやんちゃな感じの、丸刈りの少年。
声もちょっとしゃがれ声だった。
豊橋では町外れの海の方の中学からやって来た。
「カツオ」と呼んだのは僕が最初だった。
その風貌は、サザエさんのカツオ以外の何者でもなかった。
僕が名付けたそのあだ名は、少なくとも1年生の間はずっとそう呼ばれてたと思う。
僕らが誰かとふざけあってても、ちょっと横でいつも笑顔で僕らを見ていたような気がする。誰かと徒党を組むタイプじゃなかった。時には正義感を発揮し、「お前らなあ」と怒られたこともあるような気もする。真正直で裏のない芯の通った男だった。

そのカツオが一昨日亡くなったという報せが入った。
苗字は覚えてたけど名前まではっきり覚えてなかった僕は、「そのスギウラってのは、カツオのことか?」と目を疑った。卒業アルバムで確認した。カツオだった。
野球部のエースだったあんな頑強そうで、あんな朗らかで明るかった男と「死」というのが結びつかない。何度思い出しても、あの人懐っこい朗らかな笑顔しか浮かんでこない。
「よータナカ~、つまんねえことしてんなよ~。」と笑ってるカツオしか浮かんでこない。
カツオ、本当に死んじゃったのかよ。
もう一回会いたかったな、カツオ。出席番号が近かったから、多分、覚えてくれてるだろう。オレが、カツオの名付け親だよ。そんなあだ名つけられて、もし、気悪くしてたらすまんな。

今年にはいって、高校の同級生で亡くなったのは2人目だ。あまりに悲しすぎる。
しかも、2人とも僕と接点のあった仲間たち。
僕ら高校の同級生は今でも結構頻繁に会っている。楽しく笑いあい、あの頃そのままの馬鹿っ騒ぎも出きる。誰かに何かがあれば、みんなで心配しあい、励ます。いい仲間たちだ。
もう、みんな死ぬなよ。いくらなんでもまだ早すぎるぞ。

今日、カツオの葬儀だった。時間もとれず、遠くから冥福を祈るしかなかった。
カツオ、海に帰って存分に泳ぎまくれ。
これを書きながら、今頃になって涙が出てきたよ、カツオ。
心より冥福を祈ります。僕はカツオの笑顔を忘れないでいるよ。

by huehuki-pi-hyoro | 2006-08-28 21:49 | 日記  

<< ホンモノ No Music No My ... >>