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Seattle loves ICHIRO! ①

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「シーズンが始まって、遠征に行くと、その度にアウエーのファンがビジターの僕に対して『来年は、うちのチームに来てくれ』と言ってくれる。正直、心が動いた時期もありました。日本のファンからは、日本に戻ってきてくれ、と。でも最終的には、シアトルから遠征から帰って来たときに聞く『シアトルに残ってくれ』という声が、僕にとっては一番重かった。これが一番の理由だと思います。」
イチローがシアトルに残ることになった。シアトルの町を訪れたときに僕が感じた“町がイチローを愛している姿”を見てから、ずっとそうあって欲しいと僕は願っていた。僕にとっては嬉しいニュースだった。けど、僕なんかよりも数倍イチローを愛しているシアトルの人たちにとってはとてつもなく嬉しいニュースだっただろう。シアトルの人たちはイチローを本当に愛していた。そして、そんなシアトルの人たちをイチローも愛していた。
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4月28日。アメリカでのひととおりの仕事を終えた僕は、ロサンゼルスのホテルを早朝に出て、飛行機でシアトルに向かった。約束のある仕事を終えた開放感と、何よりも今夜僕はイチローに会えるんだというときめき。小6のとき、親戚のおじさんに連れられていとこたちと初めて中日球場に行ったことを思い出す。
シアトルの空港ではなかなか荷物が出てこず、2日前にLAの空港で起こった悪夢のロストバゲッジの二の舞かと思いきや、ロストバゲッジ手続きを終えた後、ポツンと僕のスーツケースはターンテーブルを回っていた。バスでホテルに向かうつもりだったけど、思わぬ1時間を使ってしまい、結局タクシーに乗ってダウンタウンのホテルに向かった。
気分は落ち込みかけたけど、荷物が出てきたことで再びイチローに会うときめきの気持ちに切り替わっていった。
タクシーの運ちゃんは陽気なメキシカン風のお兄ちゃん。荷物をトランクに入れる様子で、愛想がいいかどうかは分かる。車に乗ると、「どっから来たんだ。」といつもの挨拶から始まった。「日本から来たんだ。そう、日本からイチローに会いにシアトルにやってきたんだよ。今夜、僕はセーフコ・フィールドに行くんだ。」言ってることは完全にはしゃいでる子どもだった。会話は続いた。「イチローに会いに来たのか。それはすげえや。イチロー、ジョージマ、ササキ、日本のプレイヤーはみんなシアトルでは人気者だよ。」彼も熱烈なマリナーズファンだった。「イチローは、僕のホームタウンの出身なんだ。彼は僕らの誇りさ。」同じ町じゃないけど、同じ愛知県。まあ、同じホームタウンって言ってもいいだろう。彼は僕が言ったことをどう捉えたか分からないけど、「高校も一緒か?」と聞いてきた。そして、高校時代から凄かったのかと興味深く聞いてきた。「彼は高校の時は、ピッチャーをやってたんだ。」「ピッチャー?Really?」「本当だよ。彼はプロに入ってから外野手になったんだ。」まともに英会話の出来ない僕も野球用語だったらなんとかブロークン英語だけど、言いたいことは話していた。
高速道路を走っていたタクシーの前方に、セーフコフィールドが見えてきた。「あれがセーフコ・フィールドだよ。」運ちゃんは僕に指をさして教えてくれた。そして、目の前を通り過ぎるときは、スピードを落として走ってくれた。いい運ちゃんじゃないか。
空港からホテルまでは、30分かからなかった。車を降りた僕は、意気投合した彼と握手をして別れた。「Good Luck!」。別れ際、記念写真。「誰が撮るんだ?」「僕が手を伸ばして撮るから大丈夫さ。」二人笑顔で記念ショット。そして、僕はホテルのチェックインまでの時間まで町を歩き、チェックイン後、セーフコフィールドに向かった。  (続く)
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by huehuki-pi-hyoro | 2007-07-14 21:36 | 野球  

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