Dailand⑤ ~living in Bangkok~

b0041442_10263553.jpg

大ちゃんとの待ち合わせは7時半。
少し前にロビーで待ってたけど、遅れるかも知れないと言ってたし、時間まで部屋にいようかと戻ろうとしたとき、大ちゃんらしき姿が見えた。
「久しぶりです。タナカさん、全然、変わんないっすね。」
≪・・・っすね≫ってのが大ちゃんらしい。
「いや、あんたこそ、バンコク暮らしでてっきり現地人に同化してるかと思ったけど、名古屋にいたときと変わんなじゃん。」
再開はほぼ2年ぶりだろうか。あまり覚えてないけど、僕が忙しいときに彼はバイトを辞めてったと思う。僕自身、1年以上彼には手伝ってもらったけど、送別会も、就職祝賀会もしてやれず、そんな心残りを持ったまま彼とは別れたままだった。
b0041442_10272361.jpg

大ちゃんは、東京の大学を出たあと、名古屋でフリーター暮らし。
友達としてはすごくいい奴だけど、社会人になるには決め手に欠けた。
僕が面接官だったら、こいつならという特別な何かを感じることはないだろう。
事実、何度も就職試験落ちた話を聞いたような気がする。また、ダメでしたって。
だから、僕はその先を案じていた。(案じていたというより、からかってたかも知れないけど。)
ただ、唯一の彼の強みが、タイ語だった。
英語や中国語をしゃべれる人なら珍しくないけど、タイ語を話せる人ってそうはいない。
その唯一の強みを生かして、彼は仕事に就いた。
ただ、いきなりバンコク行き。しかも、所長。社会の勉強なんてまるでしていない男が、いきなり輸入雑貨商のバンコク所長。正直、ちゃんとやってんのか心配だった。
b0041442_10265830.jpg

ところが会ってみると、見ての通り↑やり手の貿易商風のオーラを漂わせてた。
怖いもんはない。タバコをくゆらせ、どんどんビール持って来いって感じだった。
(これはうそ。写真はたまたまでそんな人じゃない。おとなしいまじめな青年です。)

彼がタイに来た理由が気に入っている。
「最初、タイに来たとき、あのわけのわからない言葉の文字を見て、絶対、ここで暮らしてやろうと思ったんっすよ。」
彼が今、バンコクで暮らす理由の原点はここにある。彼は、何のきっかけか知らないけど、大学時代にタイに留学している。多分、そのときに思ったんだろう。何かに向かってこうというか、未知の世界への無限の可能性を探るというか、困難を打ち破ることへの興味というか、そんな強い心を持っていることは今回会って初めて知った。平々凡々と名古屋で中途半端な会社で働くことなんて彼にはもったいない。これで正解だったんだろうな。
彼のメールアドレスは、大ちゃんとタイランドをかけた“dailand”。
そこに彼のタイに対する思いと誇りも感じる。

そんな彼の姿に僕は刺激を受けた。
ややもすれば、活躍しているようにだけ見えていて、平々凡々になりかけていて、次に挑もうとか何かを切り拓こうという気持ちを忘れているような気がした。大ちゃんの方が、なんぼか凄い男だと思った。

いつの間にか彼は、バイトに来てたころから付き合ってた子と結婚もしていた。
おめでとう。知らない間に、さえないフリーターが大きく変わっていた。
結局、僕は彼が働いている会社の名前も聞くことはなかった。そんなことは興味がなかった。
ただ、あの大ちゃんがバンコクで元気に暮らしている。
そんな大ちゃんの姿を見て、ただただ嬉しかった。

大ちゃんに、バンコクで一番有名なシーフード・レストランに連れてってもらい乾杯。遅ればせながら、就職祝いの気持ちで食事をご馳走した。
そして、そこから、夜のバンコクの街へ繰り出した。
                                     (2008.2.1 バンコクにて)
[PR]

by huehuki-pi-hyoro | 2008-04-05 10:20 | 旅日記  

<< Dailand⑥ ~タクシード... 傷心 >>