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Songs

本を読む余裕が年々なくなっている。
本は読みたいと常々思っているけど、とてもそんな余裕がない。
本屋にも行かなくなった。
読んでいるのは音楽雑誌とスポーツ雑誌だけ。
もう、そんな生活はやめたいとは思ってるんだけど・・・。

ちょっとだけ余裕が出来て、久しぶりに読んだのが「村上ソングズ」。
何かの雑誌でこの本のことを知り、村上ファンの女房に聞いたらすぐ出てきた。
本を読むこと自体も久しぶりだけど、村上春樹の本を読むのも久しぶりだった。
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といっても、この本は小説ではない。
外国の歌に村上春樹が訳詩と解説を書き、和田誠のイラストが色を添える。
復帰戦としては楽に入れる。そしてあっという間に読み終えた。
村上春樹が音楽好きであることは、これまでの小説を読んでてもここかしこに出てくるアーチストや歌を見ていればよくわかる。しかも、僕の好きなアーチストのことが時々出てくるから、親近感を感じていた。趣味は多分合うんだろうなと。
この本に出てくる20数曲のうち、多分、半分近くはうちのCDラックにある。
シェリル・クロウやスプリングスティーンやライ・クーダーやドアーズあたりが選ばれてることには驚かないけど、僕の愛聴盤であるビリー・ブラッグ&ウィルコが選ばれてるのには驚いた。このアルバムを好きな人がいるってことだけでも嬉しい。

そして、一番、嬉しかったのが、R.E.Mの“Imitation of life”。
去年かおととしに全世界同時に開催されたロックイベント、ライブ8を見てて、僕はその歌のことを知った。R.E.Mはデビュー盤を持っていただけで、それ以降はちょっと縁がなかった。ところが、そのライブのかっこよさに僕はR.E.Mに再び興味をひかれ、特にこの歌を会場一体となって歌う様子がたまらなくかっこよかったのであった。
そして、この曲が入っているベスト盤を買い、ipodに入れ、通勤時、特に帰りに自転車に乗りながら、この曲のサビである♪Come on! Come on! No one can see you try ~♪ってとこを何回も何回も口ずさんでいたのだった。

そして、村上ソングズ。
村上春樹も僕と同じように、車のなかで、この歌のサビのところを歌ってたと書いてある。村上春樹がすごく近しい存在に思えてきた。この歌のことを共感できる人がいる。そして、ただ好きじゃなくて、僕と同じようにこの歌を口ずさんでいる。音楽好きにとっては、こういう瞬間ってすごく嬉しい瞬間なのである。あの歌のあのメロが、あのサビが、あのイントロが、あの間奏がっていう話をするとき、いやそんな話を分かち合える相手がいるときが一番嬉しい瞬間なのである。

久々に読んだ本は大当たりだった。いい本というよりも嬉しい本。
村上春樹の訳詩と解説だけじゃなく、和田誠のイラストも素晴らしい。訳詩とイラストだけでも十分楽しめる本だと思う。

さて、次は何を読もうか。
(実は、机の上には女房から借りた奥田英朗の文庫本が山積みされているのだった・・・。)

by huehuki-pi-hyoro | 2008-05-06 18:20  

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