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祈り

僕に出来ることは、ただただ祈ってあげることしかできない。
見ず知らずの彼女に対して、僕には何もできないと思ってたけど、彼女は、見ず知らずの人だろうが、ひとりの命を救うのに力を少しでも与えて欲しいと願っている。

今、僕は、ある女性のブログを切実な思いで、そして、毎日祈る気持ちで読んでいる。
彼女は、末期がんに冒された母親を看病しながら、一日でも長く、そして再び家族で一緒に暮らすことを願っている。あまりにもあからさまに全ての事実と、彼女の思い、そして彼女の祈り、様々な気持ち全てが日々書き綴られている。

彼女のブログとは、今年2月の清志郎の復活ライブがあった翌日に、このブログサイト内でライブ評を探してたときに出会った。その書きっぷりは、いろんな評を見たなかでも最もストレートに思いが表現されてて、僕はその表現力や僕と近い感覚であったことから、お気に入りにいれて、その後もときどき覗いていた。
しばらくは、音楽のこと、好きな動物のことなど、平和なブログだった。
ところが、突然、3月に彼女のお母さんが末期ガンであることが判明する。

そこからは彼女の思いを赤裸々に綴ったブログが続いている。
母親のことを思うあまり、精神的に不安定になり、半狂乱に陥ってしまったと綴る彼女。
彼女にしてあげられることはないだろうか。少なくとも彼女が口走ってしまった自身で死を選ぶなんてことを止めることはできないだろうか。

僕は彼女のことは全く知らないし、不純な気持ちで彼女にお近づきになろうとも思っていない。
けど、ひとりの清志郎ファンが、ヒロトファンが、そして、純粋に音楽を愛する子が苦しんでいる状況を放っておけなかった。

そんな辛い日々が続いていた彼女のブログに、「私が知らなくても私が生きていることを知っている人がいて、私が辛くないように祈ってくれている人だっている」ことに対し感謝していることが書かれていた。
それだったら、ここにもいる。それは彼女に伝えてあげたかった。

僕はそのブログにコメントを書いた。

はじめまして。Sさんのご両親と同じ愛知から書いてます。僕も、「私が知らなくても私が生きていることを知っている人がいて、私が辛くないように祈ってくれている人だっている」、そんな一人です。清志郎の復活ライブレポートをライブ翌日にexciteブログで探してて、このサイトに出会いました。いろいろ見たなかで、このサイトのライブ評が一番よかったし、感銘を受けました。それ以来、お気に入りに入れてこっそり覗かせてもらってました。ところが、それ以降、お母さんのことがあり、ここ数日のSさんの辛そうな姿を見て、少しでも励みになるのであればとコメントさせてもらってます。
僕は、RC全盛期には高校でコピーバンドをやってたヒロトと同級生(大学も同じ六大学の隣の大学だった)のおっちゃんです。ヒロトや清志郎の言葉が生きるバイブルになっているのは多分、Sさんと同じ感覚なんだろうと思います。
だから、Sさん、がんばれ。こんな愛知にも、少しでもお母さんが長生きできますように、そして、Sさんの辛さが和らぐことを願っている者がいるのです。


すぐに、彼女からのコメントバックがあった。

はじめまして、コメントをよんで泣いてしまいました。
こんなちっちゃなブログでも、誰かがちゃんと見ていてくれるんですね。
すごく嬉しくて、私にこの場があってほんとによかったと思いました。

最近、祈りの力についてよく考えます。
生きてて生活している人が、その時間だけは誰かの幸福を祈る。
そのエネルギーが届かないわけないなと思います。
宗教をもたない私ですが、人の心は信じられる。

ほんとうにコメントありがとうございました。
エネルギーをもらってもすぐ弱る私です。
またぜひ遊びに来てくださいね。


少なくとも、ほんの少しだけでも彼女に生きるエネルギーを与えることはできたんじゃないかとほっとした。そして、今、彼女は必死で生きている。そして、彼女のお母さんを1日でも、そして再び一緒に暮らすことを願いながら、彼女は必死で看病を続け、祈り続けている。そして、彼女の母親に対する優しさはあまりにも尊い。

そして、今日の彼女のブログ
思いは切実である。
誰にも強制するつもりはない。
けど、もし、彼女のブログを遡って読んで、たったひとりでも多くの人が祈ってくれるのならと。

僕は、今日も明日も遠く愛知から、見ず知らずの女性の母親の熱が下がることを祈っている。
それがひょっとして力になるのなら。そして彼女の励みになるのなら。

by huehuki-pi-hyoro | 2008-06-03 23:07 | 日記  

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