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そうだ、京都へ行こう

「そうだ、京都へ行こう」ってのは、名コピーだと思う。
先日も、京都の出版社から頼まれたある書籍のコラムで、このことを書いた。

先週の金曜日。とある会議が京都であった。
あまりその会には参加してないのだけど、今回は会場が京都ということで、早々と参加を決めていた。
会議は午後から。
午前中一杯を使って、行きたいところを見ておきたい。
京都には観光のヒントが山ほど隠れている。
観光に携わる者として、ただ、会議だけ行って宴会して帰ってきたんじゃ京都に失礼だろう。
当初の予定では、始発で京都に向かい、8時過ぎから歩くつもりだったけど、風邪の治りもまだ万全ではなく、無理は控えた。
ゆっくりめに家を出て、目的の博物館の開館時間の10時に合わせた新幹線に乗り、京都へ。
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まず向かったのは、京都文化博物館。
本当は国立京都博物館へ行きたかったが、あいにく閉館中で、こちらへ。
京都のまちの成り立ちや、文化の変遷が簡潔にまとめられている。
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とにかく歴史に弱い僕だけど、改めて、46歳にして知る「社会」の授業のようだった。
知らなかったこと、知ったつもりでいたこと、京都のいろんなことを知った。
そして、京都という町に興味を改めて持った。それこそ、この博物館の使命だと思う。
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次に向かったのは、京都国際マンガミュージアム。
マンガミュージアムへは1度行っておきたかった。
大人になってからはマンガはほとんど読んでなく、マンガへの興味はほとんどないけど、わが国の文化としてのMANGAには興味がある。
そして、巨大マンガ喫茶とまで揶揄されている国立メディア芸術総合センター構想の是非を考えるうえでも、見ておかなければならない施設だと思っていた。
ただ、施設は“ミュージアム”としての機能は乏しく、いわば、巨大マンガ図書館といった雰囲気。実際、来ている客のほとんどが、テーブルに座り、ひたすらマンガを読んでいる。これであれば、見る人が見れば、マンガ喫茶と呼ばれてもしょうがないなと思う。とはいえ、僕は、そういった施設を公共が作ることに全く異論はない。マンガという日本が誇る文化がこれだけ充実した図書館があってもいい。
大英博物館のJAPANのコーナーには、しっかりMANGAが展示されているのだ。
平日だからやってなかったけど、もろもろのワークショップや体験講座なども開かれているようである。
そういった活動も含めて、この施設は評価はしなければならないと思う。
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マンガミュージアムで毎日行われている紙芝居。
紙芝居をここで見たからといって特別な体験ではないだろうなと思い、それより会場の横にある京都御所でも少し散歩しようと一旦外へ出たものの、ひょっとしたら無茶苦茶面白いこの施設の名物かも知れないと思い、再入場して紙芝居の会場へ。
廃校を利用したこの施設は、昔の教室もそのまま残されている。
紙芝居が行われている教室へ入ると、客は僕たった一人。
このお姉さんと、差しで、紙芝居を堪能することになる。
お互いに「気恥ずかしいですね」といいながら、彼女は満席立ち見の客がいるのと同じように紙芝居を演じてくれた。いつもはいろんな客に呼びかける質問も、もちろん全て僕に来る。
それに応えながら、また、僕なりの質問も浴びせながら、約20分間、3本の紙芝居を堪能した。
拍手を送ったのはもちろん、僕ひとり。
パチパチパチ。たったひとりだけど、暖かい心のこもった拍手が教室に鳴り響いた。
「面白かったですよ。実は一旦出たんですけど、戻ってきてよかったです。」
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会議の時間まで、あと30分あった。
駅においてあったこの辺りの観光地図に載ってた気になる施設を見て回ろうと、昼飯はコンビニのおにぎりですませ、足早にキンシ正宗博物館へ。
京都の銘酒の創業の地。中へ入ると、「ご案内します」とベテラン従業員が現れる。ただ、もう、ここでは10分ほどしか時間がなく、「10分しか時間がないんですけど」と言うと、「そうですか」と、まるでテープの早送りで説明を受けているかのような超高速の案内をしていただいた。通常は30分くらいかけて案内するらしい。
「ごめんなさい。もっと余裕持ってくればよかったです。」と伝え、試飲で用意してくれている地ビールも飲まず、博物館を出て会議の会場へ小走りに向かった。
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会議は出てよかったと思えたし、その後の宴会も出てよかった。
人との出会いはやはり大事にせねば。

のぞみ、こだま経由で帰ってきたら、いつもの通勤時間とあまり変わらなかった。
だから、「そうだ、京都へ行こう」なのだ。
コラムで書いたことを実践した京都の1日。
何よりも充実した1日だった。
                            (2009.6.26 京都にて)

by huehuki-pi-hyoro | 2009-06-28 11:10 | 旅日記  

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