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早咲きの花~子どもたちの戦友

早咲きの花~子どもたちの戦友_b0041442_11295749.jpg遅まきながら映画「早咲きの花」を見に行く。
7月から早4ヶ月目に突入する超ロングラン。今だに、大きい劇場で1日5回上映を繰り返している。地元小中学生には無料鑑賞券が配られたとはいえ、相当な人たちがこの映画に足を運んだことになる。僕は早くにチケットを買ってたけど、なんだかんだでまだやってるからと、ついに昨日まで至った。

映画のストーリーはなんとなく聞いてたけど、予習はしなかった。ほとんど情報のないままに席に座る。まわりは、戦争経験もありそうな老夫婦。女子大学生らしき女の子2人。始まるまで落ち着いてられないいかにも連れて来られた風の小学生2人とその両親・・・・昨日の4時の回でもまだ、20人くらいが見てた。

《以下、ネタばれありです。これから見に行くという人は見てから読んでください。》

早咲きの花~子どもたちの戦友_b0041442_1482287.jpg開始1時間、泣けると聞いてたけど、まだそれらしきシーンは少ない。涙も目頭のところでとどまる。もちろん、話の展開である程度予想はされるけども、現代と過去の行ったり来たりで、その都度冷めてしまう。けど、最後には泣いてた。たっぷりと頬に涙が伝わっていた。泣かせるシーンがこれまた長い。あんなに輝いてた早咲きの花たち(=子どもたち)が、次々と爆撃にうたれる。後ろの老夫婦は号泣に近い。この町の年配の人たちは豊川海軍工廠での悲劇のことを知っている。僕も話には聞いてたけども、広島の直後に起こった悲劇であることは昨日知った。

映画の構成自体にはいろいろな意見もあるだろう。豊橋市100周年事業として撮られた映画だけに、いろいろな要求、制約もあっただろう。自分も浜松で映画製作に多少携わらせてもらったんでその辺のことは分かる。けど、少なくともこの町の人たちに、あの豊川での出来事の意味を知らせることは出来たんじゃないだろうか。この映画を見に来た豊橋の子どもたちは、どう思っただろうか、どう感じただろうか。お父さん、お母さんたちが、子どもと映画のことを振り返って話してくれてればと思う。戦争のこと、命の大切さ、子どもたち同士の友情・・・。僕自身は、家を出る前にyahooニュースで見た福岡の中学生の自殺のことが頭に浮かんでいた。命はとても大切なものなんだよ。

市電、名鉄、市役所、公会堂、お城の神社、多米の資料館、駅前のホテル、時習館、愛大、高師緑地、蛇穴、三河大島、竹島などなど、僕の近所をはじめ、行ったことのあるなじみのところがかなり映された。ご当地映画としてそれは見ていて飽きることはなかった。
けど、僕が一番、嬉しかったシーンはひとつの会話だ。
女子高生「この町は何にもないって言われるんですよ。」
浅丘ルリ子「いや、豊橋には大切なものがたくさん残っているわ。」
この言葉が市制100周年の重要なメッセージかも知れない。
海、山、川、風、祭り、文化、歴史、そして町を愛する人たち。
僕もこの町には素晴らしいものがまだまだ残されているとずっと思っている。
だから、映画でこんな会話があったことが嬉しかった。

映画に対して、率直に思ったのは、これが市制100周年事業ではなく、純粋に宋田・菅原コンビで原作のひとつである「子どもたちの戦友」を撮ってくれたら、もっといい映画になったんじゃないかなということ。女性写真家も高校生も僕にはいらない。もちろん、この映画としては欠かせない人たちだけど、「子どもたちの戦友」だけで見てみたかったなと・・・。「ぼくらの七日間戦争」しか見てないけど、菅原さんはやっぱり子どもを撮るのがうまい。

全国の人にも見て欲しいけど、少なくとも豊橋や豊川、蒲郡の人たちには是非、見てもらいたいいい映画だと思う。まだの人は是非、映画館へ。まだやってます。東京では12月26日からル・テアトル銀座で公開決定のようです。(→公式サイト

PS
今年はもう終わっちゃったけど、来年、「はままつ映画祭」で≪早咲きの花≫を、そして、「豊橋スロータウン映画祭」で≪天まであがれ!!≫を是非上映したいものです。関係者の方、ご検討を。(自分で仕掛ければいいのか・・・)

by huehuki-pi-hyoro | 2006-10-15 11:14 | 日記  

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