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追憶のUSAひとり旅④  CRIMINAL CITY

今回のアメリカひとり旅。最初にワシントンに降り立ったのにはわけがある。
実は、最初の仕事の訪問地はニューヨークだった。だから、何も遠回りせずに、直接ニューヨークへ行けばいい。ニューヨークも見たいところが山ほどある。
ところが、ニューヨークのホテルは想像を絶する高い料金。三ツ星クラスでも1泊5万円だという。
飛行機の往復料金が9万8千円なのに、NY2泊で10万円ってのは仕事で落ちる経費とはいえさすがに出せない。ならば、ちょっと遠回りして2泊してもまだ安いなら、全米一の観光都市とも言われるワシントンDCを再訪したい。
18年前に来たとき、スミソニアン博物館をあまりにも中途半端に見て帰ってしまったことを後悔したままだった。
ワシントンからニューヨークへは新幹線ばりの高速電車が走っている。時刻表を調べると朝10時のアポに間に合う電車がある。それで行こう。そう決めた。
そして、最初にワシントンDCに降り立った。
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地下鉄の駅は空港からつながっていて、そこまでは何の不安もなかった。
問題はそこから先だった。
ワシントンDCに行くことを決めたのはいいけど、いろいろ調べていると、「全米有数の犯罪都市」、「犯罪率№1」などの文字があちこちで出てくる。不安は日に日に募っていった。メインの駅となるユニオン駅も北口は危ないとも書いてある。ホテルまで、タクシーがベストなのか、地下鉄がベストなのか、あれこれ悩み、不安を抱えながらも多少の勇気を持って地下鉄に乗った。

当初旅行会社が選んできたホテルは地下鉄駅から車でないと行けないという理由で断り、自分で探してきたホテルを予約していた。そのホテルは、「動物園駅」に直結していると書いてあった。選んだ理由はその1点。最小限にリスクは抑えられると思った。

空港駅から動物園駅まで15分くらいだっただろうか。
土曜日の昼間ってこともあって、電車は混んでないし、見るからにこちらを不安がらせるような客もいない。僕もジャケットをはおり、あたかも慣れたビジネスマンですよといった顔で地下鉄に乗っていた。
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降りた駅のホームは停電してるんじゃないかと思えるほどのトンネルのような暗い空間。
日本のように明るい駅とはわけが違う。再び緊張が走る。
ホームには動物園帰りのファミリーが何組かいた。
そして、暗いだけで、危なげな感じの人も、浮浪者らしき人がいるわけでもない。
それでもまだ僕は警戒しながら、ホテルに向かった。
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地下鉄の長いエスカレーターを上った先に現れたホテルは、花園に囲まれたおとぎの国のお城のようでもあった。
天気は快晴、風も気持ちいい。小鳥のさえずりさえ聞こえる。
不安は杞憂に終わった。
もちろん、まだ町の中に出たわけでもないし、ただ、空港から地下鉄、そして徒歩1分のホテルに来ただけだ。
けど、地下鉄は危険な感じもしなかった。そして、この花園の雰囲気に僕の緊張感はほぐれ、出発まで不安だった犯罪都市としてのイメージは完全に払拭されていた。
                               (2008.4.27 ワシントンDCにて)
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by huehuki-pi-hyoro | 2008-07-08 23:09 | 旅日記  

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